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2017年06月19日

もっと自然体で漆喰を使おう

皆さんご存知の通り、私は住宅の内装材として漆喰をイチオシしています。

 

 

漆喰は、人間の体に害のない自然素材だけで作られた伝統的な塗り壁材です。 耐火性、調湿性、耐久性、断熱性、風合いの良さなど、優れた能力は数え上げればきりがありません。

 

 

ただ、漆喰に取り組み始めた頃は、デザイン性が気になりました。 日本では昔からお城やお蔵に使われてきた漆喰は、伝統的な和風建築に使われるものというイメージがあり、人気の高いヨーロッパ風のデザインには向かないと思ったからです。

 

 

しかし、それは杞憂でした。 なぜなら、本物のヨーロッパの家の壁は漆喰が当たり前だったからです。 「しゃれたビニルクロス」を貼った日本製の「洋風建築」に、いかに自分が洗脳されていたかをあらためて思い知らされました。

 

 

実際にヨーロッパを訪れてみると、漆喰が生活に溶け込んでいることがわかります。 何代にもわたって使われてきた漆喰壁からは、一族の絆(きずな)や物を大切にする心が感じられ、とても癒されます。 漆喰は、安全性や耐久性といった物理的な長所だけでなく、今の日本人にとって必要な人間らしい豊かな感覚を呼び覚ましてくれる素材だったのです。

 

 

しかし、実際に使うには困難がありました。 やはり、一度すたれただけのことはあって施工がとても面倒なのです。

 

 

伝統的な漆喰は、何度も重ね塗りするので手間とお金がかかります。 建材カタログを見ると「一度で厚塗りできる漆喰」なるものがあって、私も当時は「便利な製品があるもんだ」と思っていたのですが、よくよく見ると厚塗りを可能にするために合成樹脂などの化学物質を添加した「漆喰”風”壁材」でした。

 

 

「漆喰本来の長所を保ったままで、施工の簡単な漆喰を手に入れるには、自分で作るしかない」

 

 

そんな使命感に駆られて2004年に取り組み始めたのがオリジナルの漆喰の開発でした。 漆喰の改良は今や私のライフワークの一部となりましたが、知れば知るほど漆喰は今の時代の家づくりにふさわしい建材であると思わされます。

 

高知の伝統的な塩焼き消石灰製造過程

 

その素晴らしさをぜひ多くの人に知ってもらいたい。 それが安江工務店が「無添加厚塗りしっくい®」を世に出し、新築住宅では標準の内装仕様で5mm厚以上の漆喰を塗り、リフォームにおいても積極的にご提案している理由です。

 

 

もちろん、価格がリーズナブル(お値打ち)でなければ使えません。

当社の「無添加厚塗りしっくい®」は、他社の半分以下の厚み(2mm厚以下)の漆喰と比べると、厚いのにも関わらず「安い!」を実現しています。

 

 

これは、漆喰を建材メーカーから買うのではなく、オリジナルで作っているから、そして食べられる自然素材を使用して一度塗りで厚く塗られるように工夫してあるからなのです。

 

 

次回からは、私が以前訪れたヨーロッパの暮らしを見て、感じたことを書いてみたいと思います。

2017年04月19日

自然素材の家づくりのきっかけ

この建築の仕事にたずわさって、もう26年経ちますが、仕事を始めて数年たったころから、ある思いにとらわれるようになりました。

 

 

「なぜ自然素材を使わないんだろう」

 

 

 

 

たとえば、ここ数十年の家づくりでは、壁材といえばビニルクロスです。それ以前に主流だった土壁や漆喰(しっくい)壁と比べると、ビニルクロスはパターンは無限、施工は簡単、価格も安いという、文句なしの建材です。

 

 

でも、私はビニルクロスが好きになれません。

ビニルシートに包まれているという息苦しさと、プリントやエンボス加工などで作るパターンの人工的な感じに、なじめないのです。

 

 

それに、ビニルクロスを貼るときの、糊に含まれる化学物質や、万が一燃えたときに発生する有毒ガスの危険性を考えると、積極的に使う気になれません。

 

 

「ビニルクロスが登場する前の家づくりに戻れないのか」

 

そんなことを、なんとなく考えていました。

 

 

厚塗りされた漆喰に家族の手形をつけた壁

 

 

でも、ビニルクロスに対して異を唱える人は周りにいませんでしたし、私自身「そうはいっても、他にやりようがないもんな」と思い込んでいました。

 

 

こういうとき、自分の身近なところだけで判断してはいけませんね。その後、各地で開かれる住宅関連の会合や講習会に参加しているうちに、私と同じようなことを考えている人たちに出会えたのです。

 

 

その中には、すでに自然素材を使った家づくりを実践している人もいました。彼らと情報を交換し合うことで、ようやく確信を得た私は、遅まきながら無垢(むく)材や漆喰といった自然素材の家づくりへの決意を固めたのです。

 

 

おもしろいもので、自然素材を推進する仲間うちでも、人によって考えが微妙に違います。

 

 

完全に自然素材のみで家をつくらなければ意味がないと主張する人もいれば、場合によっては化学建材もやむなしと考える人もいます。

 

 

私の場合は後者で、予算、住む人の健康状態、自然素材と化学建材の特長を総合的に考えて、その家庭に見合った結論を出せばよいと思っています。

 

 

 

 

自然素材を部分的にしか使わなくても、それなりの効果はありますし、逆に自然素材であっても体質によっては絶対に安全とは言い切れないからです。

 

 

自然素材と、現代の便利な化学建材をバランスよく住まいに取り入れることが、豊かな暮らしを作り出す家づくりのポイントの一つだと思うのです。

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