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2017年07月06日

r*cove life~①フランスで見た豊かな暮らし~

みなさんが思い描く理想の暮らしとはどんなものですか。

 

 

旅や映像や小説で記憶に残った暮らしのシーンはありますか。

 

 

さまざまな国の住まいから日本でも役立つアイデアを持ち帰るため、最近は年に一度のペースでヨーロッパに出かけています。工法や建材のことなど現地のガイドさんの説明を聞きながら家々をめぐっていると、そこに住む人たちのライフスタイルに感心させられることがよくあります。

 

 

 

 

初めてのヨーロッパの旅行で南フランスに行ったときは、おもに歴史のある古い街を訪ねました。17世紀頃の建物が数多く残るエクス=アン=プロヴァンス、カラフルな家々が地中海沿いに立ち並ぶ港町のマルセイユ、見わたすかぎり赤いレンガ屋根が広がるアルル、いずれもフランスが世界に誇る美しい街です。

 

 

 

 

 

どの街にも古い石畳の路地が巡り、沿道には何十年、何百年も前からそこに建っていそうな石造りの家々が並んでいます。あめ色になった柱やほどよく風化した石の窓枠、鈍く光るドアノブひとつとっても歴史が感じられ、自他ともに認める「建材オタク」の私は興奮しっぱなしでした。

 

 

 

 

そんな私が彼らの「暮らし方」に興味を持ちました。

 

 

彼らはお金をかけずに生活を楽しむのが上手です。たとえば近所の人や友人たちが集まるホームパーティーではみんながお菓子や料理を持ち寄ります。テーブルの上には、いつも冷蔵庫にあるような材料でつくった素朴な料理ばかり。

 

 

それを囲みながらああでもこうでもないとワイワイとやるのです。

 

 

手間を手間とも思わずに、自分の手でつくることが当たり前だという感覚。高級食材が手に入ったからとか有名店のケーキを買ってきたからというようなイベント的な感じではなく、いつもの生活の中にあるお楽しみの時間。フランス人の暮らしってなんて豊かなんだろうと思いました。

 

 

 

 

彼らにとって何よりも大切なのは、人とのコミュニケーションです。

 

 

食材や雑貨などの露店が集まる「マルシェ」では、店員や知り合いとおしゃべりを楽しむお客さんの姿があちこちで見られます。それはもうにぎやかなもので、ほとんどおしゃべりに来ていると言ってもいいくらい。フランスで自動販売機が普及しないのは、話好きの彼らにとっては物足りないからなのかもしれません。

 

 

 

 

そういえば私の2度目のフランスの旅は、日本で知り合ったフレデリック・ベルデルというフランス人建築家とともに彼の父親の家を訪ねるという不思議な2人旅だったのですが、彼の親戚やら友だちやら知り合いのパン屋さんやらが次々とやってきて自分たちの家や店に案内してくれたのには少し驚きました。彼らは私を前からの知り合いのように迎え入れ、ワインを飲み、語り、にぎやかにもてなしてくれました。

 

 

 

 

お金を使うことで幸福感や達成感を味わうのではなく、日々の生活を楽しもうとするフランス人の生き方には見習うべきものがあります。私は建築人として、彼らのような価値観にふさわしい家を日本でつくりたいと思ったのです。

(②につづく)

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