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2017年04月19日

自然素材の家づくりのきっかけ

この建築の仕事にたずわさって、もう26年経ちますが、仕事を始めて数年たったころから、ある思いにとらわれるようになりました。

 

 

「なぜ自然素材を使わないんだろう」

 

 

 

 

たとえば、ここ数十年の家づくりでは、壁材といえばビニルクロスです。それ以前に主流だった土壁や漆喰(しっくい)壁と比べると、ビニルクロスはパターンは無限、施工は簡単、価格も安いという、文句なしの建材です。

 

 

でも、私はビニルクロスが好きになれません。

ビニルシートに包まれているという息苦しさと、プリントやエンボス加工などで作るパターンの人工的な感じに、なじめないのです。

 

 

それに、ビニルクロスを貼るときの、糊に含まれる化学物質や、万が一燃えたときに発生する有毒ガスの危険性を考えると、積極的に使う気になれません。

 

 

「ビニルクロスが登場する前の家づくりに戻れないのか」

 

そんなことを、なんとなく考えていました。

 

 

厚塗りされた漆喰に家族の手形をつけた壁

 

 

でも、ビニルクロスに対して異を唱える人は周りにいませんでしたし、私自身「そうはいっても、他にやりようがないもんな」と思い込んでいました。

 

 

こういうとき、自分の身近なところだけで判断してはいけませんね。その後、各地で開かれる住宅関連の会合や講習会に参加しているうちに、私と同じようなことを考えている人たちに出会えたのです。

 

 

その中には、すでに自然素材を使った家づくりを実践している人もいました。彼らと情報を交換し合うことで、ようやく確信を得た私は、遅まきながら無垢(むく)材や漆喰といった自然素材の家づくりへの決意を固めたのです。

 

 

おもしろいもので、自然素材を推進する仲間うちでも、人によって考えが微妙に違います。

 

 

完全に自然素材のみで家をつくらなければ意味がないと主張する人もいれば、場合によっては化学建材もやむなしと考える人もいます。

 

 

私の場合は後者で、予算、住む人の健康状態、自然素材と化学建材の特長を総合的に考えて、その家庭に見合った結論を出せばよいと思っています。

 

 

 

 

自然素材を部分的にしか使わなくても、それなりの効果はありますし、逆に自然素材であっても体質によっては絶対に安全とは言い切れないからです。

 

 

自然素材と、現代の便利な化学建材をバランスよく住まいに取り入れることが、豊かな暮らしを作り出す家づくりのポイントの一つだと思うのです。

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