2009年11月25日
フライブルグ
この秋にドイツに行ってきました。
そこではこれからの住まいについて色々な学びを得ることができました。そんな体験をお話しします。
中世時代フライブルグは城壁で囲まれていました。
城壁の中と外で住んでいる人が違っていて、農業などの一次産業の従事者は城壁の外側に住み、商人等の二次三次産業の人々は城壁の中に住んだ。街が発展してくると人口がだんだん増えてくるのだが城壁が外へ広がることはありません。すると街は横へ広がらず縦に広がるようになる。つまり建物が4階・5階へと多層化してゆきました。
今この町にかつての城壁はありません。そして時代は自動車中心の社会を迎え、戸建て住宅で町は横へ広がっていった。
そしてダウンタウンの道には車が入ってきた。街の中に車が入ってくるとその街の密度(=にぎわい)は少なくなる。たとえば10人の人が歩ける場所と10台の車の通れる場所とでは必要な通路の面積が何倍も違ってきてしまうのです。
そこでフライブルグでは1971年からダウンタウンの多くの場所で住民や公共の車両以外は入れないように規制を厳しくしました。そして街は再び人々であふれ、活力を取り戻したのです。
このことから学ぶことは、日本の住宅のあり方です。
日本は一戸建て住宅にこだわりすぎたために、人々が郊外の広い場所を求めて外へ広がってゆきました。しかしこれからは人口が減ってゆく時代になりますので、なるべく一ヶ所に集まり人口密度を高くして街が活性化するようにするということが求められるのではないかと思います。
人々が歩いたり自転車でチョット行くだけで買い物をしたり喫茶を楽しんだりでき、駅にも近いという場所に住むように人々の価値観が変わってゆくのではないかと感じました。
ですから住まいも一戸建てにこだわらず駅近のマンションに住み車も所有しない(カーシェアリング)、そんな選択をする人も多くなるのではないでしょうか。駅近の中古マンションなどを新築のようにリフォームして住むという選択も良いではないのか、と強く感じました。